2007年5月に登場して以来、ソフトバンクのCMでおなじみの顔となった白戸家。犬のお父さんを始め、人気キャラクターとなった白戸家も今年でめでたく10周年目を迎えることとなりました。ソフトバンクの発表会では引退をほのめかす発言が飛び出し、巷では「白戸家が終了する」と言う噂も流れ始めています。そこで今回はソフトバンクにはなくてはならない、愛されるキャラクターとなった白戸家を振り返ってみました。
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ソフトバンクの顔「白戸家」とは?
白い犬のお父さん・白戸次郎、家族を見守る良きお母さん・正子、なぜか黒人の長男・小次郎、ソフトバンクショップ店員の長女・彩、家族にすら存在を忘れられている次男・つよし、ポメラニアンのギガの5人と1匹という、ツッコミが追い付かないほどの奇妙な家族構成で成り立っているソフトバンクの名物一家です。
元々はソフトバンクのCMに登場していたキャラクターが一堂に会し、家族としてドラマが繰り広げられるようになりました。
ソフトバンクCMにはYahoo!BBのイメージキャラクターやその当時の人気俳優やハリウッドスター、他社のCMキャラクターも登場することで話題となり、それらのキャラクターたちと白戸一家による掛け合いも人気を博しました。
初出はホワイト家族24のCMで、第1回からお父さん、小次郎、彩の3人(2人と1匹)が登場していました。
白戸家の歴史
初めて白戸家が登場したのが、前述の2007年5月26日からのホワイト家族24のCMで、お父さんと小次郎がソフトバンクのショップに来店し、彩にホワイト家族の説明を受けると言う内容でした。これ以前に、Yahoo!BBのイメージキャラクターであった彩役の上戸彩と、ソフトバンクモバイルCMの予想GUY役のダンテ・カーヴァーが登場したことで話題となりました。
白戸家の自宅風景が描かれたのは同年の「家族間通話無料」のCMで、この時既にお父さん、お母さん、彩、小次郎の白戸一家のレギュラーメンバーが勢ぞろいしていました。ちなみにギガは2016年の1月、つよしは同年9月からの初登場となりました。
白戸家にはその他にも様々な親族が登場しており、親族扮する豪華キャストが登場するたびにお茶の間をにぎわせてくれました。ソフトバンクが新商品を発表するたび、趣向をこらした新CMで世間を楽しませ続けたことも愛される理由の一つと言えるでしょう。
白戸家の由来
ホワイトプランのCMから始まった白戸家からわかるように、ホワイトにもじって白戸という名前に決定したと言われています。また、長女の彩役の上戸彩の「上戸」も交えていると言われています。
白戸家の登場キャラクターたち
個性的でユニークな登場人物たちが人気の白戸家CMですが、人気の理由にはキャストが織り成すドラマと役者たちの持つバックボーンによるものも大きいでしょう。より、白戸家とCMに登場する人々の魅力を掘り下げるため、彼らの歴史や背景、名言などを紹介します。
白戸次郎(犬のお父さん)
白戸家の大黒柱であり、ソフトバンクの代名詞とも言える「白い犬のお父さん」です。元々は人間の姿であったことを回想で語られており、なぜ犬になってしまったのかは理由を語られていません。お父さんの謎については初登場シーンから彩に言及されており、名言である「お前にはまだ早い!」も初回から登場しています。
犬の姿であっても人語を話しフランス語も堪能、サミットと称して時々犬の集会にも参加することから犬語も理解しているなど、回を重ねるごとに謎が深まっていくのもCMの特徴です。CM内では様々なスポーツにチャレンジしたり、意外に多芸であることがわかります。都合が悪くなると逃げたり、焼きもちを焼くなど少々子供っぽい面を見せる一方で、フラれた小次郎を慰めたりなど人情味のある一面を見せています。
本職はホワイト学割高等学校の教師で、主にCM内ではツッコミ役に回ることが多く、お母さんや小次郎相手の掛け合いが一番多いのもお父さんです。
実は10年間の間でお父さん役は3匹の北海道犬が演じており、初代のカイ、シーンによる代役のネネという兄妹犬で撮影されており、老齢による2014年の引退以降は息子の海斗が引き継いでいます。CM同様にお父さん役を演じているのも一家というのが面白いですね。
声の役はCMやドラマでもおなじみの北大路欣也が演じており、後のCMで堺雅人が登場したことによって「半沢直樹」とのコラボが白戸家CMで実現しました。
お父さんの名言
お父さんがCM内で発する言葉はCMを象徴する言葉として印象的なものばかりです。「すべてのものには理由がある」「いいじゃないか、家族なんだから」などといった、宣伝に関する言葉で締めくくるものばかりです。中には前述の「お前にはまだ早い!」「ソフトバンクの思うつぼだ」など、メタを含むユーモアにあふれたものも数多くあります。
白戸正子
落ち着いた雰囲気で騒がしい白戸家をまとめる一家のまとめ役的なお母さんです。個性の強い白戸家の中では抑え気味のキャラクターですが、お父さんが犬になった理由を知っている素振りを見せているなど、お母さんにも謎がある一面を見せます。お父さんとは学生時代の同級生であったことが回想で語られており、人間の姿だったお父さんとのやり取りがCMで見られます。
家族には優しいながら、お父さんには少々手厳しい面を見せたり意外と毒舌家だったり、彩に対抗するなど年齢に不相応な行動を取るなど、やはり白戸家の家族ということを再確認させられます。専業主婦と言うわけではなく、ホワイト学割高等学校の校長と言う肩書を持ち、お父さんの上司であり、彩の勤めるソフトバンクショップの上司である堺雅人は元教え子という設定です。
お母さん役は女優の樋口可南子が演じており、旧姓は本名と同じ樋口であったことが語られています。少女時代の役は女優の広瀬すずが演じました。
白戸小次郎
白戸家の長男で、気づいたら黒人になっていたと言う奇天烈な設定の登場人物です。個性的な白戸家の中でもひと際異彩を放ち、普段は流ちょうな日本語を話しますが、激高すると英語を発したりウルトラマンや河童の言葉を理解し、物質を瞬間移動させる超能力を持つなど、白戸家でも特に謎の多い人物です。
お父さんとは仲が良く、2人で出かけることも多く、初登場時もお父さんと一緒に彩の勤めるソフトバンクショップでホワイトプラン24の説明を受けに出向いていました。
風貌からとっつきにくい印象を受けますが、お父さんのツッコミに対する「スイマセン、お父さん」や「予想GUYです」などの口癖があり、ダジャレを言ったりオバマ大統領の物まねをするなど愛嬌のある一面を見せています。
演じているのはタレントのダンテ・カーヴァーで、ソフトバンクモバイルCMの「予想GUY」でも演じており、前述の口癖を白戸家CMでも引き続き使用しています。一皮むけたお兄さんのCMでは、ボブ・サップに変身していました。
白戸彩
白戸家CMの第一回から登場しており、堺雅人が上司のソフトバンクショップの店員を務めている設定です。マサオという彼氏もいるなど順風満帆の日々を送っている様子がうかがえます。白戸家の中では比較的普通ですが、ソフトバンクCMへの自社批判とも取れる毒舌など母譲りな一面を見せることもあります。
彩役の上戸彩はYahoo!BBのイメージキャラクターを務めていたこともあり、白戸家の名前の由来の一つとなるなど白戸家を象徴する登場人物です。
白戸つよし
2016年9月9日の新CM「ビュンビュン」篇より登場しました。登場するなりお父さんに「誰だお前」と言われるほど影が薄いことを気にしており、彩ですら「日本中誰も気が付いてなかった」と言われるほどの存在感の無い設定です。
瞬間移動に近い高速移動で家族を驚かせていましたが、第5世代移動通信システムの「5G Project」のCMの一環として作られたCMのため、新キャラクターのつよしはこのようにキャラ付けされたことがうかがえます。
つよし役は俳優の佐藤健が演じています。
ギガ
2016年1月28日のギガ学割のCMから登場した白戸家のペットのポメラニアンです。登場はつよしより後でありながら、その後もたびたび登場するなど準レギュラーとなったキャラクターです。彩が雪の日に凍えるギガを連れてきたことから白戸家で飼われることになりました。
本性は腹黒く、ギガの言葉を聞き取れるお父さんと後の学割篇で登場する中川大志演じる男子学生だけが本性を知る存在でした。
何かと可愛さアピールや目立ちたがりの行動をとり、お父さんや周囲をからかうなどの小悪魔キャラとして白戸家と周囲を引っ掻き回すキャラクターでしたが、回が進むごとにツッコミを受けることが増えるようになり、良くも悪くも白戸家に感化されているような印象を受けます。
声の役は乃木坂46の生駒里奈が務めています。
白戸文子
お父さんの母親であり、小次郎と彩の祖母で白戸家とは別に福井県で暮らしています。息子のお父さんよりも孫、特に彩を溺愛しており、写真にお父さんが重なって彩が映らなかったことを電話で怒るほどでした。
前夫とはすでに死別していながらも50歳下の彼氏を作っており、携帯電話の短縮ボタンの1番に彼氏を持ってくるなど、まだまだ健在ぶりを見せていました。ちなみに1番は彼氏で2番が彩、3番がお父さんとなっており、おばあちゃんの中でのランクがうかがえます。
行動が若々しい以外には一見普通ですが、正体は宇宙人であるかのような素振りを見せるなど、やはり謎の多い白戸一家の血筋であることを暗に匂わせていました。
演じたのは女優の若尾文子で、役名も本名から取っていることがうかがえます。
おじいちゃん(おばあちゃんの彼氏)
おばあちゃんの再婚相手で、携帯で話が弾んだ拍子に結婚したといい、おばあちゃん曰く「たった50歳差」と言う言葉からわかる通り、小次郎や彩よりも年下の祖父です。
キザな言葉でおばあちゃんに語り掛け、ずっと年上のお父さんを「次郎君」と呼ぶなど、強烈なインパクトのキャラクターですが、初登場時に使用していたガラケーから再登場後はソフトバンクスマホに持ち替えるなど芸の細かさも見せています。
若いおじいちゃんを演じたのは俳優の松田翔太でした。
島根のおじさん
島根で暮らしているなぜかシロイルカの姿をした白戸家の親せきです。後述の息子・シンジとは親子仲が悪いことを示唆しているものの、白戸家とは良好な関係を築いていることがCMで確認されます。
おじさん役のシロイルカは「しまね海洋館アクアス」で飼育されているシロイルカのケーリャ、声はCMディレクターの山内健二が演じています。
シンジ
島根に住むお父さんの甥っ子で、イギリスのプロサッカークラブに所属するプロサッカー選手です。前述の父親とは不仲ですが、白戸家のお父さんを慕っており、一緒にサッカーをしたり家に訪れるなど良好な関係を築いているようです。
演じたのはプロサッカー選手の香川真司で、ソフトバンクCM出演の記者会見映像の流れでそのまま白戸家CMにも登場しました。
その他の登場人物たち
白戸家CMには数多くの有名俳優や映画スターなど当時の話題の人を多く起用してきました。
他社のCMの人気キャラクター・宇宙人ジョーンズやウルトラマン、AKB48など、様々な形で登場し、ドラマやCMで共演した俳優たちとの思わぬコラボを繰り広げました。それぞれがCM内で個性を活かし、白戸家CMを彩ってきたことも白戸家10年の歴史の中で欠かすことのできない顔ぶれです。
白戸一家は本当に引退してしまうのか?
新CMや発表会では、10年の区切りで白戸家にお疲れ様の言葉をかけ、労をねぎらいながら引退をほのめかせるような演出が続いています。2017年9月13日にはソフトバンクの新サービス発表会が行われ、その中で古田新太、杉咲花、竹内涼の3人が新CMのキャストとして紹介されました。
発表会の席では「家族」と言う言葉が使われ、同15日に放送が開始された白戸家の新CMでは白戸家のお母さんたちに花束が渡されました。ソフトバンク公式の特設サイトの演出や一連の展開には、多くの白戸家ファンが「引退」を意識し始めるのも当然の流れと言えるでしょう。
果たして白戸一家の物語はこのまま終了してしまうのか?多くの謎が残ったまま終了してしまうのは、ファンとしては大きな心残りとなってしまいます。新しい家族割の演出の一環だとしても、やはりファンには気になるところです。
これだけ多くの人に愛された白戸家の動向からは真相が明かされるまで、まだまだ目が離せません。