光コラボの登場などで、高速通信の光回線が現在のインターネットの主流です。通信速度は下り最大1Gbpsは、かつて高速通信と言われたADSLの下り最大50Mbpsを遥かに超えるものです。最早家庭用のインターネットでこれ以上のものは当分出ないだろうと思われていましたが、世界最高速のインターネットの「NURO光」の登場により塗り替えられました。今回はNURO光についてご紹介します。
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世界最高速のインターネット「NURO光」
ネット回線は、アナログ電話回線、ISDN、ADSLから光ファイバーの光回線へとインターネットは移り変わり、2000年代に入ってインターネットが一般家庭に普及してからというもの、ネット環境の成長は著しく、特に通信速度と言う点では最早1Gbpsの高速通信は当たり前の世界となりました。
光回線が一般的になったきっかけとも言える、NTTが開始したフレッツ光の「光コラボレーションモデル」は2015年2月とつい最近のことでした。しかし、それより以前の2013年4月15日に下り最大2Gbpsの「NURO光」が受付開始と共には登場しており、さらに光コラボからわずか4ヶ月後の同年6月1日には後述の「10Gbpsサービス」の登場によって最大通信速度はさらに塗り替えられました。
NURO光の特徴
まず、NURO光の説明で真っ先に挙げられるのが「世界最速の通信速度」です。一般的な光回線の下りの速度が最大1GBpsですが、NURO光は実に2倍の速度の2Gbpsとなるのです。これは個人向け回線速度としては、現時点で世界最速の通信速度です。
NURO光は光コラボではない
NURO光は自社の独自回線を利用してると思われがちですが、NTT東の光回線を利用しています。NTTの敷設した光回線を使ってはいますが、利用している回線はダークファイバーのため光コラボではありません。
世界最速の通信速度
先に説明したようにNURO光の通信速度は下り最大2Gbpsとし、上りは最大1GBpsとなります。これは独自に開発されたNURO光専用のホームゲートウェイの「ONU」と国際標準規格の伝送技術である「GPON」を組み合わせたことによって実現される通信速度です。
ONUとは?
ネットに接続するための終端装置で、簡単に言うとNURO光専用の光BBユニットのイメージです。光信号と電気信号を相互変換することによってネットワークに接続する役割を持ち、これが無ければNURO光を使うことはできません。
GPONとは?
マンションタイプの光回線は一本の光ファイバーを複数の利用者で共有するものですが、これは「PON技術」と呼ばれる方式によるもので、光回線などのギガビット通信は「GE-PON」方式を採用しています。ちなみに本来共有するはずの一本の光ファイバーを独占して使えるホームタイムは、通信速度をフル活用できる環境にあるため、スペックでは同じ光回線であるホームタイプとマンションタイプでは、ホームタイプの方が早く感じられるのです。
GE-PONではEthernetフレームを光ファイバーの伝送に利用しているのに対し、GPONはGTCと呼ばれる独自形式のフレームを利用しています。これによって電話回線や専用線などの通信方式を複数効率的にまとめることができるため、GE-PONを超える最大速度が実現できます。NURO光の速度の秘密は、GPONと呼ばれる伝送技術によるものなのです。
提供している事業者はSo-net
NURO光を提供しているのはインターネットプロバイダや光コラボでもおなじみのSo-netです。ソフトバンクの公式サイトや宣伝広告などでもNURO光の名前を見かける機会が多いため、ソフトバンクが提供しているサービスと思われがちですが、ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社が提供しているサービスなのです。
NURO光ではソフトバンクスマホとのおうち割も実施されており、これもあってNURO光はソフトバンクが提供するサービスと勘違いされている一因ともなっています。
2Gbpsを超える10Gbpsサービス
さらにNURO光では、2015年の6月より、2Gbpsをはるかに超える10Gbpsサービスを個人向けとして開始しました。これまでの光回線の常識を超えた圧倒的な、下り最大10Gbpsを家庭でも体験できることになりました。
NURO光が提供しているサービス
NURO光で提供されているサービスは大まかに分けると以下になります。
- 世界最高速インターネットサービス
- 2種類のサービスプラン
- 最大5台まで利用できるカスペルスキー・セキュリティ
- NURO ひかり 電話
次にサービス説明をより詳しく説明します。
NURO光の基本料金とサービスプラン
NURO光ではサービス提供の基本料金をプランごとに用意されています。料金プランは2種類あり、契約の際にはどちらかを選べます。
プラン | NURO 光G2V | NURO 光G2 |
---|---|---|
月額基本料金 | \4,743 | \7,124 |
基本工事費 | \40,000(30ヶ月の分割請求) | |
契約事務手数料 | \3,000(利用開始月からの請求) | |
契約期間 | 2年間の継続契約 | なし |
契約解除料 | \9,500 | \0 |
NURO 光G2とG2Vの違い
上の表を見てすぐにわかるのが、2つのプランの違いは料金の違いと2年間の契約期間があるかどうかです。通常、インターネットサービスはマンションタイプとホームタイプで分かれていますが、NURO光のマンションタイプは後述します。どちらのプランも速度に違いが無く、NURO光が提供されているエリアであれば住居タイプにかかわらずどちらのプランでも選択できます。
NURO 光G2V
- 月額基本料金がG2より安い4,743円
- 2年間契の約期間がある
- 契約期間内の解約には9,500円の解除料金が発生する
NURO 光G2
- 月額基本料金がG2Vより高い7,124円
- 契約期間なし
- いつでも解除料金なしで解約できる
NURO 光 for マンション
8階以上でNURO光を導入しているマンション限定のプランに「NURO 光 for マンション」があります。他社のマンションタイプと違うのは、マンション内でのNURO光の利用者が増えるごとに月額料金が段階的に安くなっていくことです。月額料金は建物内の利用者が4人の2,500円から10人以上で1,900円まで引き下げられます。
NURO 光 for マンションが他社のマンションタイプと料金形態が違うのは、マンション内でNURO光を利用するためのHands-upに入会する必要があります。そのため、設備維持などの管理費を月額料金とは別に支払う必要があります。つまり、そのマンションでのNURO光の利用者数=Hands-upの会員数ということになります。
マンション内のHands-up会員数 | 4人 | 5人 | 6人 | 7人 | 8人 | 9人 | 10人以上 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
月額料金合計 | 2,500円 | 2,500円 | 2,500円 | 2,400円 | 2,300円 | 2,200円 | 1,900円 |
Hands-up会費 | 900円 | 900円 | 900円 | 800円 | 700円 | 600円 | 300円 |
NURO 光 for マンション月額基本料金 | 1,600円 | 1,600円 | 1,600円 | 1,600円 | 1,600円 | 1,600円 | 1,600円 |
世界最速10Gbpsサービス
先に説明したように、NURO光ではさらに上の10GBpsサービスが提供されています。次世代ネットワーク規格である「XG-PON」を採用することで、今後の拡大するインターネット通信に対応できる最先端の高速通信サービスです。
料金プランは通常のものと変わらず、2年間の契約期間と解除料のあるなしの違いになります。月額料金は当然のことながら、さらに値上がりしています。通常のインターネット通信であれば1Gbpsでも十分と言える速度なので、よほどのことでもない限り利用するほどではないでしょう。しかし、世界最高速というものを一度は体験したいと思わせるのがこのサービスです。
料金/プラン | 2年間の継続契約 | 継続契約なし |
---|---|---|
月額基本料金 | 6,480円 | 6,480円 |
事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 |
工事費 | 40,000円(30ヶ月の分割請求) | |
工事費相当分割引 | 1,334円割引/月を30ヶ月 | なし |
契約解除料 | 9,500円 | なし |
NURO光で実施されているキャンペーン
NURO光では2017年9月の期間は月額料金割引や工事費無料キャンペーンを行っています。わずか1ヶ月と期間は短いですが、好評であれば期間延長などもあり得るので、今後のキャンペーンの動向にも注目したいところでしょう。また、ワンコインで3ヶ月NURO光を体験できるキャンペーンも実施しているので、お試しとして体験してみるのも良いでしょう。
また、2017年の8月から9月までの間にNURO 光 for マンションに新規で申し込んだ場合、1万円のキャッシュバックと36ヶ月1,111円の割引が適用されます。
キャンペーン内容
- 月額料金が1年間2,980円(10Gbpsサービスは3,980円)
- 工事費実質無料
- So-net設定サポートが1回分無料
- 3ヶ月月額基本料500円のワンコイン体験キャンペーン
- NURO 光 for マンション新規申し込み1万円キャッシュバックキャンペーン
期間 | 2017年9月1日~2017年9月30日 |
---|---|
対象 | NURO光G2V 新規入会・コース変更 |
適用条件 | 申し込みから12ヶ月後の月末までにNURO光を利用開始していること |
セキュリティサービスを標準装備
NURO光に申し込めば、誰でも月額基本料金500円相当のカスペルスキー・セキュリティが自宅のPCに最大5台まで無料インストールできます。Windows、Mac、Androidとインストールの組み合わせは自由なので、初心者が安全にインターネットを楽しむことができます。
NURO ひかり 電話
NURO光で提供されているIP電話サービスです。初期費用を別に、月額基本料金500円からで、他社の光コラボなどでも提供されている光電話サービスと大きな違いはありません。
内容 | 料金 | |
---|---|---|
初期費用 | 回線工事費 | 3,000円 |
月額費用 | 基本料金 | 500円 |
ユニバーサル料 | 3円 |
NURO ひかり 電話は、ソフトバンクが提供する通信ネットワークを使用しています。そのため、ひかり電話に加入するとソフトバンクグループへの通話が無料となり、ホワイト光電話やソフトバンクスマホケータイなどに適用されます。そのため、ソフトバンクスマホとのセット割引であるおうち割の適用対象になっているのです。
NURO光の提供エリア
月額基本料金は他社と比べると割高ですが、それでもヘビーユーザーにとっては世界最速の通信速度というのは魅力的です。契約申し込みを検討し始める人もいると思われますが、NURO光の提供エリアはまだそこまで広くはありません。
2017年9月時点での提供エリアは一部の関東エリアのみとなっており、これはNTT東日本のダークファイバーのみを利用していることが主な理由の一つとなっています。10Gbpsサービスに至っては、東京と神奈川の一部と言う風に、さらに提供エリアが狭まっています。
マンションタイプは〇階以下と決まっている
NURO光の提供エリアでも住居によっては回線を引くことができない場合もあります。マンションタイプのほとんどは3階以上7階以下までと決まっており、高層タイプのNURO 光 for マンションを導入しているマンションがまだ少ないという事情もあります。さらに、10Gbpsサービスでは5階以下と決まっており、条件は厳しいものとなっています。
しかし、NURO光のマンションの階数引き上げが行われたこともあり、今後の展開次第ではこれらの制限が緩和されることも十分にあり得ます。
NURO光のメリットとデメリット
さて、ここまでNURO光を紹介してきましたが、改めて振り返ってみましょう。NURO光は高速通信と言う点において、他の追随を許さない随一のネット回線です。その一方で思い浮かぶのがNURO光を利用する上での障害、デメリットです。NURO光の復習と共にメリットとデメリットを挙げていきましょう。
NURO光のメリット
- 世界最高速度の下り2Gbps(10Gbps)
- 月額料金が他社と比べて安い
- ソフトバンクの電話と無料通話が可能
- ソフトバンクのおうち割の対象サービスになっている
やはり最大のメリットは、その通信速度となります。ソフトバンクグループとのつながりによる通話無料やスマホとのセット割引なども、ソフトバンクユーザーにとっては損ではないメリットと言えます。
次にNURO光は月額料金が安いという触れ込みをよく目にしますが、他社の光回線の月額料金と比べると確かに安い部類に入ります。その理由には、光回線を利用するのに必要な無線LANやセキュリティサービスなどの通常では有料オプションとなるこれらが込みで月額5,000円を超えないと言う点にあるでしょう。
そして、ソフトバンクユーザーには、無料通話やNURO光とスマホのセット割であるおうち割が適用されるというのもポイントです。
NURO光のデメリット
- 提供エリアが関東のみで範囲が広くない
- マンションタイプなら階数が3階以上7階以下(10Gbpsサービスなら5階以下)
- 工事は立ち合いありで屋内と屋外の2回実施
まず、提供エリアが現在では関東エリアのみというのがNURO光の一番のデメリットと言えます。提供開始からまだ4年半ほどということを考えればまだまだ伸びしろがあるとも考えられます。同じ独自回線の他社の「auひかり」なども徐々に提供エリアを拡大させています。マンションタイプも現在では8階以上の高層マンションを想定したNURO 光 for マンションが開始されており、今後に期待できるものです。
その他、見落としがちなのが、立ち合い工事が屋内と屋外で2回あると言う点です。転用などのある光コラボに比べ、開通工事に時間を取られるというのは地味に厄介なものです。
NURO光は今後の伸びしろに期待
以上のことから、NURO光は高速通信において先を行く光回線と言えますが、サービス面においてはまだまだ発展途上と言わざるを得ません。同じ光回線のフレッツ光に比べてキャリアが違いすぎると言えるでしょう。そのことから考えれば、現段階では評価を下すのは早計なのではないでしょうか?
次世代を見据えたNURO光は、今後の展開次第でよりよいサービスを我々に提供してくれるものと期待しましょう。
ソフトバンクのサービスと連動しているNURO光は、ソフトバンクユーザーにはもしかしたら使いやすいと感じられる光回線かもしれません。もし、ソフトバンク光の速度に不満を持つなどしたら、セット割サービスが継続できるNURO光への乗り換えも検討してみるのもアリかもしれません。