現在、インターネットの主流となっている光回線。光コラボの開始から、家庭で高速通信を楽しむということが一般的になってきました。ソフトバンクが提供するソフトバンク光も光コラボの一つであり、申し込みを検討している人も多いことでしょう。しかし、ソフトバンク光のユーザーの間では「通信速度が遅い」という噂がチラホラと・・・。今回はソフトバンク光の通信速度について実態調査してみました。
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ソフトバンク光は最大通信速度1Gbps
ソフトバンク光で使用されている光ファイバーは、NTTの光回線であるフレッツ光を利用したものです。ソフトバンク光の最大通信速度は1GBpsを記録し、ADSLの100Mbpsと比べれば圧倒的な速さです。したがって、同じ光コラボであるOCN光やSo-net光なども同じであるため、光コラボ同士で最大速度に違いがあるなどということはありません。しかし、実際にはソフトバンク光に限らず、「~に変えたら遅くなった」などという声も少なくありません。
次々挙がる速度が遅いと言う不満の声



SNSの口コミの一部をピックアップしてみましたが、確かに遅いということがヒシヒシと感じられる内容が多く見受けられます。中には過激な発言も含まれており、予想以上にストレスを抱えているユーザーも少なくないようです。
一体何が原因でソフトバンク光が遅いと感じてしまっているのでしょうか?
なぜ光回線が速いと言われているのか?
ソフトバンク光が遅いと言われているのは、光回線は本来速いものだと言う認識を持っているからです。そもそも光回線がなぜ速いと言われているのか、その理由から考えていきましょう。
- 光ファイバーによるギガビット通信
- 高速ハイブリッドサービス(IPv6)
簡単に説明すると上の回答になるわけですが、「専門用語ではいまいちピンと来ない」という人もいるかと思われます。そもそもネットの回線とは、データを伝送する回線を通って通信が行われるものです。ADSLにおける電話回線は銅線を使ったメタル回線と呼ばれるものを伝い、光回線は光ファイバーを通して情報伝達が行われます。
どちらも発信される電気信号を読み取り、データの受け渡しが行われるものです。メタル回線と光ファイバーの電気が伝わる速度自体に差はありません。では、なぜ速度に差が出るのかと言うと、電気信号を光信号に返還する処理速度がメタル回線と光ファイバーでは段違いだからです。
電話回線を利用してデータを転送するADSL(メタル回線)では処理速度に限界がありますが、光回線(光ファイバー)は電気信号を光信号に変える工程が圧倒的に省略されていることで高速通信を実現させているのです。そして、ソフトバンク光に用いられている光BBユニットが採用しているIPv6 IPoE + IPv4接続方式がデータ通信に用いられている複数の信号をまとめ上げ、自宅とインターネットを結ぶ過程を円滑にする終端装置として従来の通信速度を飛躍的に向上させているのです。
光BBユニットについてはこちらの記事で紹介していますので、より詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
ソフトバンク光が遅い原因
ソフトバンク光に限らず、光回線は前述の理由から本来は速いものなのです。にもかかわらず、通信速度が遅く感じる、実際に遅いと言う人は存在しているのです。通信速度をテストした画像をSNS上にアップして遅いということを証明している人も少なくありません。

なぜソフトバンク光が遅くなるのでしょうか?ネット上の口コミを一通り見てみるとあることに気づきます。
地域や時間帯でユーザーが集中している



その昔、ADSLより以前にテレホーダイという接続サービスがありました。まだ従量課金制が一般的だった時代に、23時から8時までの間はネットにつなぎ放題という当時のネットユーザーにはありがたいものでした。俗にテレホタイムとも呼ばれており、この時間帯はサーバーアクセスが集中する時間帯でした。
22時以降に遅くなると言う口コミが多いことから、恐らくその時間帯にソフトバンク光につなげている人が多いことが予想されます。一本の光ケーブルを共有している以上は、ユーザーが多い地域や集合住宅だと通信速度に影響が出やすくなります。マンションタイプだと速度の低下は特に顕著となります。

情報を伝達する光ケーブルは高速通信が可能だと言っても、扱える情報量は無限というわけではありません。例えば、高速道路でもお盆や正月などのシーズン中は渋滞が起こってしまいます。その地域のユーザーが多ければ多いほど、情報処理が複雑化して通信速度の低下につながってしまいます。
ソフトバンク光はベストエフォート型サービスであるため、回線がパンクするとまでにはいかないまでもある程度は仕方のないことと言えるでしょう。
光BBユニットを設置・設定していない

戸建てのホームタイプでありながら、通信速度が遅いと言う場合には、今一度光BBユニットの設定を見直してみましょう。光BBユニットの仕様は見落としがちな点で、ソフトバンク光につなげる場合には光BBユニットが必要不可欠です。
なぜなら、ソフトバンク光の回線速度を最大に引き出すには、光BBユニットに採用されているIPv6 IPoE + IPv4接続方式の契約が必要だからです。接続方式についてはこちらでも触れていますが、利用には前述のIPv6 IPoE + IPv4接続方式との契約がしっかりと明記されています。
光BBユニットを使わなくてもIPv6に対応したルーターを代用することもできますが、必ずしも最大速度で利用できると言う保証はありません。ソフトバンク光の仕様と違うものを利用しているわけですから、完全に自己責任となってしまい、余計な費用が掛かってしまう恐れが出てきます。
また、ルーターの接続方式がちゃんとIPv6に設定されているかどうか確認してみましょう。光BBユニットで最大速度が出せる環境には、IPv6での接続が必須となります。
もしも、利用している地域や環境、時間帯以外に原因が解らない場合は、光BBユニットの設置、もしくは利用しているブロードバンドルーターの設定を見直してみましょう。

それ以外の原因
口コミを見る限り、時間帯を見計らっても、ルーターの設定を確認しても速くならないと言う人もいることが確認できます。


このようにプロバイダを変えたら速くなったと言う話が散見できます。しかし、光コラボの場合、同じフレッツ光の通信速度である以上は速度の上限は同じです。冒頭でも触れましたが、フレッツ光以上の速度を出すことはできないのです。
ユーザー数によるネットへの干渉
繰り返しになりますが、ネット回線への干渉が減ればそれだけ通信速度に支障が出にくくなります。プロバイダ(光回線)変更で速くなったケースと言うのは、その地域のプロバイダ利用者数がソフトバンク光よりも少ないということが考えられます。
プロバイダのバックボーン
もう一つはフレッツ光を運営するプロバイダの光回線の管理体制なども考えられます。大本はNTTが管理する光回線ですが、光コラボは買い受けた事業者側の管轄となります。そこまで速度に影響の出るものとは考えられませんが、事業者ごとの管理は別物になるのである程度は全く関係ないとは言い切れません。
マシンスペックが足りない
高速通信を可能にするには、データを受け取るためのマシンスペックも重要です。ギガビットの膨大なデータを伝送するには、情報処理速度に耐えうるメモリ容量が必要となります。また、最新のアップデートや新規格に対応できるOSであるかどうかも大切なポイントです。
いかにネット環境が最新でも、それらを処理できるマシンスペックが旧世代であれば、高度な処理速度に付いていけるものではありません。
無線LANを使用している
有線の場合と比べると無線の回線速度は劣ります。無線LANを利用している場合、ルーターとの距離や障害物などによって電波状態が不安定になりやすいものです。中継器をつないでいる場合でも届く電波の距離によっても電波状況が通信速度に影響することも考えられます。また、ルーター自体のスペックや故障なども通信速度に影響を与えます。
まずはネット環境の見直しで原因追及
ネット上のソフトバンク光は遅いと言う評判の多くは、SNSでのユーザーの率直な感想です。口コミの多くは自身の環境を列挙して伝えるものではなく、感情的に遅いと言うものが見受けられます。しかし、ソフトバンク光が速くなったと言う口コミも見られ、そういった人たちは自身のネット環境を改善しているものばかりです。


例外がある可能性も否めませんが、速度の向上はネット環境の見直しで改善は十分可能です。干渉数に関して言えば、ソフトバンク光はユーザー数を増やし続けており、今後もソフトバンク光への干渉が増える状況が続けばどうなるかはわかりません。
より高速通信を求めるのであれば、関東圏在住という条件ながら、世界最速の10GBpsが可能なNURO光という光回線もあります。こちらはおうち割も使えるので、ソフトバンクユーザーにはおすすめです。