国内最速にして世界最速の2Gを誇るNURO光。提供エリアは局地的ですが、最大通信速度は10Gまで可能と圧倒的な速度を誇るインターネットです。提供開始から約4年後の2017年5月についに対抗馬が登場しました。
その名も東急グループのケーブルテレビ局の「イッツコムひかり」。今回は国内最速級の2つの回線を比較紹介します。
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東急グループのインターネット「イッツコムひかり」
2017年5月から2ギガコースの提供を開始したイッツコム光は、東急グループのイッツ・コミュニケーションズ株式会社が運営するインターネットプロバイダです。元は神奈川のケーブルテレビ局として始まり、現在は横浜市青葉区を中心に事業を展開している会社です。
東急沿線で展開を続ける言わば地域密着型のケーブル局であるイッツコムですが、2017年4月から2年をかけてサービスエリア全域の光ファイバー化を実施しました。
イッツコム2ギガコースの詳細
NURO光に肩を並べる最大2Gbpsの超高速通信速度のイッツコム2ギガコースですが、率直に言うとホームタイプ専用の契約プランです。2018年2月現在もマンションタイプには対応しておらず、戸建て住宅の方のみが利用できます。
通信速度は下り最大2Gbps、上りも最大1Gbpsと通信速度はNURO光と全く同じです。速度だけで見ればNURO光と同格のイッツコム2ギガコースには期待してしまいますね。
2ギガコースの月額料金
気になる料金プランですが、ホームタイプということで多少は高くなることも予想されます。実際に料金は2年契約で月額6,200円とケーブル局の回線としてみても割高で、単年契約の通常コースは7,500円と利用をためらう金額にまで達します。
2年契約の場合は契約期間中の契約解除には解除料金が発生し、9,500円を請求されます。
オプションサービスの利用料
サービス名 | 月額利用料 |
---|---|
ホームWi-Fi | 無料(標準搭載) |
IPアドレス種別選択 | 無料 |
安心マイレスキュー | 無料 |
メールウイルスチェック | 無料 |
迷惑メールチェック | 無料 |
メールアドレスの追加 | 1つあたり300円 |
webフィルタリング | パソコン1台につき200円 |
シマンテックオンラインサービス ノートン360オンライン | 570円/端末3台まで対応 |
シマンテックオンラインサービス ノートンインターネットセキュリティオンライン | 490円/端末3台まで対応 |
みるプラス | 933円 |
次に気になるのはオプションサービスですが、こちらは特に目新しいものはありません。ホームWi-Fiは本来1台につき月額240円ですが、2ギガコースの場合は標準装備で無料となります。安心マイレスキューは生活情報や緊急情報など、暮らしの情報をメールで配信してくれるサービスで、最大5つまで配信先を登録できます。メールアドレスも最大5つまで取得できるので、プライベート用や家族用としても追加利用できます。
みるプラスはケーブルテレビ局ならではと言えるVODサービスで、自宅・外出先問わずに利用できるサービスです。テレビサービスを利用中の場合、さらにお得なパック料金も用意されています。
オプションサービスは一般的なものばかりで、あまり目にしない言葉としては「IPアドレス種別選択」が挙げられます。
IPアドレス種別選択とは?
IPアドレスにはプライベートとグローバルの2種類があり、利用環境に応じてその切り替えができるサービスです。IPとはネットワーク上のアドレス、つまり住所を指しています。グローバルは世界中に1つしかないIPアドレスにあたり、プライベートはローカルアドレスを指します。自宅や職場内の複数ある端末間の通信を可能とするIPアドレスがプライベートです。
もっとわかりやすく言うと、電話に例えるならグローバルが外線番号でプライベートが内線番号になります。
申し込み方法はネットか電話から
イッツコムひかりの申し込みはウェブページの申し込みフォームか、お客さまセンターでの電話受付で対応しています。メールでも問い合わせは可能ですが、ウェブフォームからの申し込みの方が時間を気にせず申し込めます。
イッツコム お客さまセンター 0120-125652 受付時間:平日:9:30~20:00 土・日・祝日・年末年始:9:30~18:30 |
NURO光とのサービス比較
イッツコムひかりの2Gは世界最速のインターネットとしてそれだけでも価値のあるものですが、同等の速度を誇るNURO光と比べた場合にはどのような見方に変わるでしょうか?同じものが2つ以上あるなら、比較してより良いものを選ぶのは当然の考えだと思います。
次はいよいよイッツコムひかりとNURO光を比較していきましょう。
提供エリアの範囲比較
イッツコムひかりは東急グループであるため、東急沿線を中心に展開しているネット回線サービスです。2017年4月からのサービスエリアでの光ファイバー展開を始めたため、未だ開始されていない地域もあります。2018年中には提供エリア全域に及ぶ予定ではありますが、東京都南部に普及するまでに2018年秋~冬までかかる予定です。
関東圏のみだったNURO光も2018年1月下旬より関西・東海地方も解禁となり、10Gプランもごく一部とはいえ東京、神奈川で利用可能です。東京都南部と町田市、神奈川の川崎、東急沿線と比べれば提供エリアはNURO光の方が広いという結果になります。
ネットの費用で比較
同格の通信速度なら品質や費用が選ぶ基準となります。恐らくは多くの人が気になるであろう費用の面から比較していきます。
イッツコムひかり | NURO光 | ||
2ギガコース | NURO光 G2V | NURO光 G2 | |
初期費用 | |||
契約事務手数料:3,000円 | 契約事務手数料:3,000円 工事費用:40,000円 | ||
2年コース | 通常コース | 2年 | 単年 |
6,200円/月 | 7,500円/月 | 4,743円/月 | 7,124円/月 |
契約解除料 | |||
9,500円 | なし | 9,500円 | なし |
これを見ると明らかに月額料金に開きがあり、7階までの住宅に対応して4割以上も安いNURO光の方がコスパは断然上です。ちなみにNURO光の10Gプランと比較した場合が以下になります。
NURO光 10G | 6,480円 |
---|
10Gプランは東京と神奈川のごく一部でしか利用できないプランですが、その代わり2年契約でも単年契約でも月額料金が同じです。初期費用やキャンペーンも通常のNURO光と同様で、イッツコムひかりよりも安いのが特長です。10Gプランは2月中に2年契約を申し込めば月額料金が3,980円のキャンペーンを実施しており、こちらも度々おこなわれているキャンペーンです。
イッツコムひかりは初期費用の面で工事費用の負担はありませんが、解約時には撤去工事費用が発生します。内訳は引込線撤去費用の10,000円と宅内配線撤去費の5,000円で、合計15,000円を請求されます。
NURO光は工事費用こそ高額ですが、2月1日~2月28日の期間限定で、工事費用分の月額料金から毎月30ヶ月1,334円割引されます。期間限定ではありますが、割と頻繁に行われているキャンペーンなので。今回はタイミングが合わない方も次回の開催に期待が持てます。
無線LANの速度で比較
2Gで比較すれば同じ速度の両社ですが、Wi-Fi標準装備の無線ルーターで比較してみましょう。イッツコムひかりの公式サイトでは詳しく明言されていません。図解では最大速度300Mbpsまでのように説明されていますが、PDFの重要説明事項を見る限り、伝送速度は1000Mbpsに対応しており、11acの規格で接続する場合は最大1.3Gbpsに対応していることが説明されています。
11nの規格で接続する場合は最大450Mbps対応となっており、これはNURO光の無線接続時の最大実行速度と同速度になります。
実際のところは両社共に300Mbpsが平均的な速度と思われ、無線接続時の通信速度もやはり同程度と考えられます。イッツコムひかりもNURO光もホームゲートウェイにGE-PON ONUを採用しているので、当然と言えば当然の結果と言えます。
電話サービスで比較
光回線には付きものの電話サービスも比較していきましょう。光コラボ同士ならあまり比較する意味はありませんが、片やケーブルテレビ、片やフレッツ光とは違う光回線と両社ともケースが違います。比較するには丁度いいサービスと思われます。
イッツコムひかり | NURO光 |
初期費用 | |
3,000円 | 3,000円 |
月額料金 | |
1,330円 | 関東:500円 関西:東海:300円 |
通話料 | |
NTT回線:8.5円~ ケーブルプラス電話:8円~ auまとめトーク:auへの国内通話無料 | 一般固定電話:7.99円/3分 ソフトバンク回線:通話料無料 |
それぞれの光・ケーブル回線を利用した電話回線であるため、工事費用は特にかかりませんが、通話料の方でNURO光の方がお得感が高くなっています。NURO光はソフトバンクの電話回線を利用しているため、ソフトバンクやワイモバイルなどのソフトバンク回線に対する通話料が安い、または無料というのが特長です。
対して、イッツコムひかりはKDDIとの提携を活かしたauまとめトークでau回線との国内無料通話が可能になります。
それぞれ対応するキャリアの電話サービスがありますが、月額料金や通話料、対応するキャリアの数からみてもNURO光の方が利便性の高さが光ります。
キャリアのセット割引で比較
光コラボなどでおなじみのネットとスマホのセット割引ですが、既にご存知のようにイッツコムひかりはau、NURO光はソフトバンクのスマホとのセット割が利用できます。
auスマートバリューはスマホ代が2年間で最大2,000円の割引が適用され、3年目以降は934円に減額されます。おうち割は最大1,000円と割引額こそ少額ですが、永年で継続するので長期利用ならおうち割がお得です。
NURO光でおうち割を適用する際の注意点が一つあり、ソフトバンクのおうち割はソフトバンクスマホとワイモバイルが対象なのですが、NURO光に関してはワイモバイルは適用対象外となります。これはNURO光を提供するソニーネットワークコミュニケーションズ借り受けしてるソフトバンクとは電話回線のみの関係で、ネット回線には干渉していないことが挙げられます。
おうち割の特徴であるスマホの割引対象が1つ減る形となってメリットが薄れてしまっています。それを加味しても、auスマートバリューの割引額をイッツコムひかりの月額料金に上乗せしてもNURO光より割高となってしまいます。
スマホとネット代を一概に同一視はできませんが、出費と言う観点で見れば、やはりイッツコムひかりはコスパが悪いと言えるでしょう。
キャンペーンで比較
2018年1月時点でのイッツコムひかりの公式特典は特にありません。マンションコースなど光コラボで見ればまとめてセットプランなどで月額料金が安くなりますが、今回は2ギガコースでの比較なので除外します。一応2ギガコースでもテレビサービスとの組み合わせでネットの月額料金が安くなりますが、その分テレビオプションの費用がかかってしまいます。
対してNURO光は工事費用実質無料や特設ページからの申し込みで3万円のキャッシュバックがもらえるなど、既にこの時点で勝負ありとなってしまった感があります。
総合的に見てイッツコムひかりは高くて不便
ここまでの比較結果ですが、言うまでもなくNURO光の圧勝です。提供エリア、料金、利便性、キャンペーンの全てでことごとくNURO光が上回ったと言って良い結果となりました。
auキャリアの人がセット割目的で利用するかと言えば、既に結論を言っていますが、最大割引を加味しても月額料金が高すぎます。それならセット割引なしでNURO光を利用してもおつりがきます。これはもう、提供エリアの範囲がNURO光と被ってしまったことが不運としか言いようがありません。
ケーブル回線と光回線は別物ではあるので、一括りで判断することはできません。強いて挙げるなら映像コンテンツは流石にイッツコムひかりの方が多彩です。
NURO光が利用できるのに、わざわざずっと高いイッツコムひかりをおすすめする理由が見当たりません。現時点ではイッツコムひかりの今後のキャンペーン展開まで静観するしかありません。何にせよ、今回は本当に比較する相手が悪かったとしか言いようがありませんね。
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