ソフトバンクAirはソフトバンクのWi-Fi接続サービスです。ネットに接続するには、Airターミナルと呼ばれるルーターを購入する必要があります。本体価格が54,000円(税抜)と高額となり、月月割を利用すれば実質無料とはいえ、3年間は利用する必要があります。
ルーターとしては高額すぎるAirターミナルですが、万が一のトラブルに備えた「あんしん補償」に入るべきか否か?今回は、ソフトバンクAirのあんしん補償の有無について考えてみたいと思います。
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ソフトバンクAirのあんしん補償とは?
ソフトバンクAirを契約するにあたり、ネット接続に必要なAirターミナルを購入することとなります。Airターミナルには保証書が同梱されており、こちらのメーカー保証は1年とされています。それとは別に、ソフトバンクAirにはあんしん補償というサービスがオプションで存在します。保証書付きなのになぜ別に補償があるのかを考えてみましょう。
保証≠補償≠保障
まず、メーカー保証とあんしん補償について話す前に、それぞれの意味について考えましょう。「ほしょう」という言葉は大きく分けて3つあり、一般的に知られている言葉に「保証」「補償」「保障」でわけられます。皆さんはそれぞれの違いを説明できるでしょうか?
メーカーが責任を背負う「保証」
最初に保証についてですが、「メーカー保証」や「品質保証」という言葉をよく目にすると思います。これは、商品やサービスを提供する企業や提供者が責任を持つという証明です。ソフトバンクAirの「ベストエフォート型サービス」の説明にある、「回線速度について保証するものではない」という一文を目にした方も多いと思います。
ベストエフォートという言葉自体は「最善を尽くす」という意味ですが、その結果、回線速度の低減や不安定な状態については保証できないと宣言しているのです。企業側としては現実的な範囲では責任は持つけど、それ以外(接続数や基地局までの距離)が絡む要素には責任が持てないという話です。
つまり、「保証とは責任を持って対処する」という意味を持つものです。メーカー保証は「メーカー側が責任を持って対処する」という意味合いでもあるのです。
金銭で償う「補償」
次に補償についてですが、文字を分解して意味を見れば察しがつくと思います。そのままずばり、「補って償う」という意味です。トラブルや事件などで損失・損害が起きた場合に「補償金」や「〇〇補償」という形でお金が支払われるシステムがあります。予期せぬトラブルに対して、一部例外を除いていかなる理由でも金銭で賄うことを指します。
状態を保つための保障
最後に保障ですが、こちらも文字通り「障害から保つ」という意味です。「安全保障」という言葉があるように、身体、地位、立場などの状態を障害から守るための言葉です。世間一般での保障には、継続的な金銭の支払いでトラブルが起こった場合に金銭が支払われる補償と同じような意味合いがあります。補償がモノに対し、保障は人を対象として使われるケースが多いようです。
あんぜん補償はYahoo!BB基本サービスの一部
ソフトバンクAir あんぜん補償とは、機器に対する何らかのトラブル・損害に対して交換という形で補償してくれるオプションサービスです。このサービス自体は独立したオプションではなく、Yahoo!BB基本サービス(有料)のプレミアムプランに付随しているオプションサービスです。
あんぜん補償単体で契約することはできず、利用するにはYahoo!BB基本サービスに加入する必要があります。
Yahoo!BB基本サービス(プレミアム)とは?
Yahoo!BB基本サービスとは、「Yahoo!メール」「Yahoo!ジオシティーズ」「Yahoo!ウォレット」などのYahoo!BBのコンテンツを優待で利用できるようになるサービスです。たとえば、ソフトバンク光のメールアドレスは、Yahoo!BB基本サービスに加入しないと発行されません。それ以外はYahoo!JAPAN IDを取得して発行するフリーメールになります。
ソフトバンクAir あんしん補償はプレミアム特典となっており、利用するにはプレミアムプランに加入する必要があります。月額基本料金はソフトバンク光とソフトバンクAirで異なり、スタンダードプランはどちらも月額300円(税別)ですが、ソフトバンクAirのプレミアムプランは800円(税別)とあんしん補償の分だけ250円高くなっています。
Yahoo!JAPANの有料会員にも同じサービスがあり、Yahoo!BB基本サービスはソフトバンクのネットで利用できるネットオプションと考えてもらえれば良いでしょう。ちなみに、ソフトバンクキャリアやワイモバイルの方は、スマートログインやYahoo!プレミアム for Y!mobileに登録すれば、一部のプレミアム特典を無料で利用できます。
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あんしん補償の補償内容
ソフトバンクAir あんしん補償はAirターミナルの補償をしてくれるものですが、金銭が支払われるわけではありません。あくまで機器の交換になります。その代わり、補償に入っている限り何度でも利用できるサービスです。
あんしん補償の内容について説明しましょう。
あんしん補償の費用
ソフトバンクAirのYahoo!BB基本サービス(プレミアム)は月額料金が800円(税別)になります。加入すればYahoo!プレミアム特典が利用でき、解除するまで毎月の補償が約束されます。
ただし、プレミアムプランには2年間の利用期間が設けられており、利用期間中の解除には契約解除料の3,000円(税別)を請求されます。契約更新月は満了月とされているので、加入月を含む24ヶ月目の解除なら請求されません。
補償(保証)外での費用
あんしん補償、またはメーカー保証が切れている場合のAirターミナルの交換、修理などには実費での負担となります。ソフトバンクAirの重要事項詳細によると、Airターミナルごとに費用が発生します。
対象機器 | 未返却時の違約金 | 修理・交換費用 |
Airターミナル | 23,000円(税別) | 9,500円 |
Airターミナル2 | 33,000円(税別) | 16,000円 |
Airターミナル3 |
現行のソフトバンクAirはAirターミナル2,3が提供されており、上の表の色塗り部分が主なトラブル時の負担金となります。現行のAirターミナルの販売価格が54,000円(税別)に対し月月割が1,500円ですから、約10ヶ月分の費用、未返却時は約1年9か月分の費用を一回で請求される計算になります。
トラブルによる補償対象
あんしん補償は機器の故障・破損から盗難・紛失まであらゆるトラブルに対応してくれます。
補償内容 | 対象となるトラブル |
交換補償 | 落雷、液体濡れ、部分破損、全損、故障 |
盗難/紛失補償 | 盗難、紛失 |
交換の場合、交換用の機器と引き換えに故障機器を配達員に引き渡す必要があります。その際に機器の受け渡しが行われなければ未返却時の違約金を請求されます。せっかく補償に入ったのにこんな形で出費をしないためにも、故障した機器と言えど大切に保管しておきましょう。
盗難/紛失補償はトラブルに遭った時点で警察などへの届け出が必要になります。盗難/紛失補償を利用する場合、届出先の機関名、届出年月日、受理番号の確認が必要になります。
補償の手続き方法
補償を適用する場合、ソフトバンクのコールセンターに連絡をします。連絡後に宅配業者が機器を届けに来るので、そこで受け渡しが完了します。当日に機器の引き渡しができない場合、後日着払いで指定の住所に返送します。
SoftBank Air お問い合わせ窓口 186+0800-1111-820 受付時間:10:00~19:00(土日祝日は一部休業) |
補償が利かないケース
あらゆるトラブルを永年で補償してくれるあんぜん補償ですが、補償適用外となるケースもあります。
- 前回の補償適用後から6ヶ月以内
- 未返却の交換機器がある
補償が利かないケースは主に2つあり、期間を置かずに連続的な交換や交換機器の受け渡しがされていない場合に限られます。補償は常識の範囲内で行われているものなので、基本的には例外は認められないと考えておきましょう。
あんしん補償は必要?不要?
不慮の事故や想定外のトラブルに対応してくれるあんぜん補償ですが、利用するには毎月の月額料金を支払う必要があります。機器の故障自体がそう頻繁にあるものでもなく、無償ではないことを考えると補償に入らないという方も多いことでしょう。
それでは、あんしん補償は必要か否かでかんがえてみましょう。
毎月の費用から考える
あんしん補償はプレミアムプランの月額料金に含まれています。1年で丁度1万円となる計算で、補償費用として考えれば安いと捉える方もいることでしょう。しかし、通常の使い方をすればソフトバンクAirが故障するような状況は考えにくく、徹底した管理を行っていれば月月割が完済する3年以上は使えるはずです。
1年以内の故障などであればメーカー保証も利き、2年目以上の利用での故障となれば、あんしん補償に2年間加入し続けた金額よりも修理費用の方が安くつくケースが高くなります。また、先に説明したとおり、プレミアムプランは2年間の契約期間以外での解除には契約解除料が発生します。
個人用か法人用かで考える
個人で使う場合には自己責任で特に問題はないと思いますが、法人、または個人事業としての利用ならあんしん補償の加入は前向きに捉えるべきなのかもしれません。事業用で使う場合は特に管理が必要となり、万が一の場合に備えておくべきでしょう。
とは言え、仕事で使うのなら何かしらのネットの備えもあるはずですので、必須というかと言えば個人の考えによると思われます。
Yahoo!BB基本サービスが使いたい人
Yahoo!で取得できるメールアドレスは「〇〇@yahoo.co.jp」のフリーメールのみで、「〇〇@ybb.ne.jp」のソフトバンクのメールアドレスはYahoo!BB基本サービス以外では使えません。プライベートと仕事用に分けてメールアドレスを持ちたい方は、Yahoo!BB基本サービスに加入してYBBのメールアドレスを取得してみるのも良いでしょう。
大抵の場合はフリーメールでも事足りてしまうので、独自のアドレスをメリットとしては薄いかもしれません。
それ以外のYahoo!BBの優待特典を利用したい場合、前述のスマートログイン設定やYahoo!プレミアム for Y!mobileでプレミアム特典を無料で使えるので、費用を払ってまで使う理由がメールアドレスの取得以外のメリットが感じられません。
補償は個人の使い方次第による
あんしん補償について考察しましたが、加入するかどうかは使い方によるとしか言えません。石橋を叩くくらい慎重な方は加入するでしょうし、管理が徹底してる(または気にならない)方には必要のないものでしょう。
利用期間なども考えれば、LAN設備の耐用年数の端末機は一般的には6年とされています。そこまで使うのであれば流石に後継機への買い替えなども視野に入り、261Mbs~481MbpsのAirターミナルでとことんまで使うでもない限りは必要性は薄いと思われます。今後のあんしん補償の改定などで新型機への乗り換えなどの追加サービスでもない限り、メーカー保証で十分という考えが強くなります。
利用環境などを考慮し、大切に扱えば寿命以外で故障と言うケースも避けられることを考えれば、「念には念を入れて」という場合以外には強くはお勧めしません。加入するかどうかは、Yahoo!BB基本サービスと合わせたメリットを見出せるかにもよると思われます。
あくまで個人的な意見の一つとなるので、最終決定は利用環境や展望次第となるでしょう。