電力の小売自由化が開始されてから多くの事業者が電力サービスに参入しました。国内キャリアのソフトバンクも電力自由化開始と共に参入し、自社ブランドの「ソフトバンクでんき」の提供を行なっています。電力サービスを提供してい事業者は、ソフトバンク以外の電気通信事業者や一般ガス事業者も増えつつあります。
今回は大阪ガス、eo、ソフトバンクの3社による電力サービスを比較します。
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ガスと電気通信事業者の電力サービス
2016年4月から電力自由化が始まり、一般家庭の電気が選べるようになりました。これまでは全国各エリアの電力会社の独占市場だった電力サービスは、新電力に切り替えた家庭が2018年3月末には約622万件にまで達しました。電気・ガスなどのライフラインを供給する会社から、携帯電話・インターネット事業者など様々な企業が電気を提供しています。
関西エリアでは大阪ガス、eoといったその分野でメジャーな企業も電力サービスを開始しており、国内大手のソフトバンクもまた自社の電力サービスを提供しています。
今回はこの3社によるサービス比較を徹底解説します。
大阪ガスの電気
※画像は公式サイトより引用
関西方面最大手の一般ガス事業者「大阪ガス」は電力自由化開始と同時に参入した会社です。大阪ガスの電気料金プランは7つのメニューで構成されており、各プランは関西電力従量電灯と比較した目的に合わせた料金プランが選べます。
料金プランは電力使用量に合わせたものから大阪ガスとのセットプランといったスタンダードなものから、動画配信サービスのアマゾンプライムとのセットのプランなどユニークなものが用意されています。
大阪ガスの電気料金メニュー | |||
基本料金 | 電力量料金 | ||
関西電力従量電灯A 相当 | |||
ベースプランA-G 大阪ガスとのセットプラン | 15kwhまで279.82円 | ・~120kWh:19.95円 ・~360kWh:24.45円 ・360kwh~:27.33円 | |
ベースプランA | 15kwhまで279.82円 | ・~120kWh:19.95円 ・~360kWh:24.84円 ・360kwh~:27.61円 | |
家庭用ガス発電プラン エネファーム・エコウィルユーザー向け | 15kwhまで279.82円 | ・~120kWh:19.95円 ・~360kWh:24.45円 ・360kwh~:27.33円 | |
スタイルプランP Amazonプライムとのセットプラン | 15kwhまで580.00円 | ・~120kWh:20.19円 ・~360kWh:24.53円 ・360kwh~:28.76円 | |
関西電力従量電灯B 相当 | |||
ベースプランB-G 大阪ガスとのセットプラン | 1kVA:373.24円 未使用月は45%割引 | ・~120kwh:16.88円 ・~350kWh:20.60円 ・350kwh~:22.82円 | |
長期2年割引:電気料金から2%割引 ベースプランB-Gと動力用プランのセットで2年間3%割引 | |||
ベースプランB | 1kVA:379.64円 未使用月は半額 | ・~120kwh:17.57円 ・~350kWh:20.82円 ・350kwh~:23.60円 | |
長期2年割引:電気料金から2%割引 ベースプランBと動力用プランのセットで2年間3%割引 | |||
関西電力低圧電力 相当 | |||
動力用プラン | 契約電力1kWにつき 1,005.48円 | 夏季料金 | 14.34円/1kwh |
その他の季節 | 12.89円/1kwh |
大阪ガスの電気提供エリア | |
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eo電気
※画像は公式サイトより引用
関西エリアで人気の高いネット「eo光」が提供する電力サービスです。ネットと電気のセット割の他、関電ガスとの料金プランが提供されており、同じエリアの大阪ガスの電気とは提供エリアが全く一緒の目下のライバル会社ということになります。
料金プランは「スタンダード」と「シンプル」に加え、2018年10月31日までの期間限定プラン「タイガース応援プラン」という地元プロ野球チームに関連した料金プランを提供しています。地域密着型のプロバイダらしく、電力サービスでも地域性を表しているのが窺えます。
関西電力系の会社であるeoは電力の提供エリアも関西電力と同じエリアで提供されています。eo光とのセット割を使う場合はeo光の提供エリア内に限られます。
eo電気の電気料金メニュー | |||
契約事務手数料:3,240円 | 基本料金 | 電力量料金 | |
関西電力従量電灯A 相当 | |||
スタンダードプラン | 電気+ネット | 1,144円 | ・~120kWh:18.29円 ・~300kWh:18.33円 ・300kwh~:27.32円 |
電気のみ | ・~120kWh:18.29円 ・~250kWh:18.33円 ・~300kwh:22.52円 ・300kwh~:28.18円 | ||
関西電力従量電灯B 相当 | |||
シンプルプラン | 電気+ネット | 1,179円 | 22.35円/1kwh |
電気のみ | 1,234円 | 23.02円/1kwh | |
タイガース応援プラン 関西電力従量電灯A 相当+契約事務手数料無料 2018年10月31日まで |
eo電気の電気提供エリア | |
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eo光とのセット割は近畿2府4県および福井県の一部地域 |
ソフトバンクでんき
ソフトバンクが提供する電力サービス「ソフトバンクでんき」はネット、携帯電話、電気のセット割プラン「おうちでんき」と再生可能エネルギーの「自然でんき」の2つの料金プランの総称です。提供エリアはソフトバンクでんき(おうちでんき)と自然でんきでは異なりますが、ほぼ全国で使える提供エリアの広さも特長です。
おうちでんきはソフトバンクとワイモバイルのスマホ携帯にも対応しており、おうち割のスマホ割引と電気料金の割引と加入回線ごとに割引が適用されるお得な料金プランです。ソフトバンクユーザーなら誰でも使える割引プランですが、自然でんきと併用できないデメリットがあり、代わりに基本料無料で使わなければ使わないほど安く抑えることができます。
自然でんきはECO活動にも積極的に取り組んでおり、毎月月額料金から50円の寄付で環境保全活動に参加することができます。
ソフトバンクでんきは水漏れや鍵の紛失、ガラスの破損など生活トラブルに対応してくれる「おうちのレスキュー」が無料で使える出張サービスも加入特典として用意されています。ただし、無料の定義がエリアによって異なり、東京電力エリア以外の地域だと2年間のみという期間限定となっています。
今回は3社の比較ということで関西エリアの2社に合わせ、関西・中部エリアの料金を参考にしました。
ソフトバンクでんき料金メニュー | |||
基本料金 | 電力量料金 | ||
中部エリア | 10A | 280円 | ・~120kWh:20.47円 ・~300kWh:24.82円 ・300kwh~:27.69円 |
15A | |||
1kVA | |||
関西エリア | 15A | 334.82円 | ・~120kWh:19.76円 ・~300kwh:25.08円 ・300kwh~:28.46円 |
自然でんき料金メニュー | |||
中部エリア | 0円 | 27円/1kwh | |
関西エリア | 23円/1kwh |
ソフトバンクでんきの提供エリア (おうでんき/自然でんき) | |
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3社の料金比較
大阪ガス・eo・ソフトバンクの3社は料金以外に自社独自の特色を押し出しており、電気以外に利用しているサービスによって料金も大きく変わってきます。家族構成や環境ごとに異なる最適な料金プランの目安として次に3社の料金を分かりやすく比較しました。
3社別料金の比較
電力のみ | ||||
プラン | 基本料金 | 電力量料金 | ||
大阪ガスの電気 | ベースプランA 従量電灯A相当 | 279.82円 | ・~120kWh:19.95円 ・~360kWh:24.84円 ・360kwh~:27.61円 | |
ベースプランB 従量電灯B相当 | 1kVA:379.64円 未使用月は半額 | ・~120kwh:17.57円 ・~350kWh:20.82円 ・350kwh~:23.60円 | ||
動力用プラン 従量電灯B相当 | 1,005.48円 | 夏季:14.34円/1kwh その他:12.89円/1kwh | ||
eo電気 | スタンダードプラン 従量電灯A相当 | 1,144円 | ・~120kWh:18.29円 ・~250kWh:18.33円 ・~300kwh:22.52円 ・300kwh~:28.18円 | |
シンプルプラン 従量電灯B相当 | 1,234円 | 23.02円/1kwh | ||
ソフトバンクでんき | 中部エリア | 10A | 280円 | ・~120kWh:18.29円 ・~250kWh:18.33円 ・~300kwh:22.52円 ・300kwh~:28.18円 |
15A | ・~120kWh:20.47円 ・~300kWh:24.82円 ・300kwh~:27.69円 | |||
1kVA | ・~120kWh:18.29円 ・~250kWh:18.33円 ・~300kwh:22.52円 ・300kwh~:28.18円 | |||
関西エリア | 15A | 334.82円 | ・~120kWh:19.76円 ・~300kwh:25.08円 ・300kwh~:28.46円 | |
自然でんき | 0円 | 中部エリア:27円/1kwh 関西エリア:23円/1kwh |
自然でんきは基本料金が無料の代わりに一律従量料金が27円で固定されています。3人以上の家庭で平均的な使い方をするとやや割高となるので、節約を心がける必要があります。大阪ガスの動力用プランは従量料金が最も安く、夏季以外の季節は更に安くで使えるものの、基本料金が高いというデメリットがあります。電気を特に使う家庭向きと言えます。
eo電気とソフトバンクでんきは少量なら比較的電気料金は安く抑えられていますが、eo電気は契約事務手数料が掛かる上に基本料金が動力プランを除けば唯一の1,000円台と余計な費用が掛かってしまうのが目立ちます。従量料金の上限が最も高いeo電気とソフトバンクですが、この点から見てもeo電気の方が割高に見えます。
ソフトバンクでんきは中部と関西で電力料金が若干異なり、関西エリアは電力料金が3社の中では最も高い料金となっています。
3社の通常料金で見れば大阪ガスの電気が最もバランスが良く、少電量・大電量まで幅広く選択肢があるように見られます。
割引適用時の比較
セット割適用時
基本料金 | 電力量料金 | ||
大阪ガスの電気 | ベースプランA-G 従量電灯A相当 | 279.82円 未使用時は半額 | ・~120kWh:19.95円 ・~360kWh:24.45円 ・360kwh~:27.33円 |
ベースプランB-G 従量電灯B相当 | 373.24円 未使用時は半額 | ・~120kwh:16.88円 ・~350kWh:20.60円 ・350kwh~:22.82円 | |
長期2年割引:電気料金から2%割引 ベースプランB-Gと動力用プランのセットで2年間3%割引 | |||
家庭用ガス発電プラン エネファーム・エコウィルユーザー向け | 842.40円 | ・~120kWh:19.95円 ・~360kWh:24.45円 ・360kwh~:27.33円 | |
スタイルプランP Amazonプライムとのセットプラン | 580.00円 | ・~120kWh:20.19円 ・~360kWh:24.53円 ・360kwh~:28.76円 | |
eo電気 | スタンダードプラン 従量電灯A相当 電気+ネット | 1,144円 | ・~120kWh:18.29円 ・~300kWh:18.33円 ・300kwh~:27.32円 |
シンプルプラン 従量電灯B相当 電気+ネット | 1,234円 | 22.35円/1kwh | |
タイガース応援プランなら契約事務手数料無料 2018年10月31日まで | |||
ソフトバンクでんき | おうちのでんき | 280円 | ・電気料金1%割引 ¥1回線ごとに2年間100円割引 ※3年目以降50円割引 ・おうち割最大1,000円割引 |
割引適用時の料金を比較する、とこちらも3社ともに独特な割引が用意されています。
大阪ガスは月の電力消費量が極端に少ない場合に限り、基本料金が半額されるサービスを行なっており、2年間の長期割引で2%、動力用プランとの併用で最大3%まで割引が適用されます。期間限定ながら元が安いことを考えればこれでも十分な割引と思われます。その他ユーザー向け料金プランもありますが、こちらはあまり割引感が感じられない内容です。
アマゾンプライムの通常月間400円より100円高くなっており、しかも電力料金まで若干高くなっています。わざわざセットで契約するほどでもない印象を受けます。
eo電気はeo光とのセット割引があり、適用してようやく3社の中で電力料金が最安値を実現させます。しかし、基本料金が高いことと契約事務手数料があるのは変わらず、ネットありきの料金設定のようにも思われます。
3社の中ではソフトバンクが特殊で、電力料金の割引よりも自社の回線サービスの割引の方が充実しています。家族で使うことでスマホやネットの回線から100円割引が最大10回線まで適用され、おうち割も併用できることで更にスマホが使いやすくなる仕組みです。
ソフトバンクの電力料金は高すぎず安過ぎずの絶妙な価格なので、むしろ家族割引のオプションと合わせてセットで使いやすい料金設定のように思われます。
電気代なら大阪ガス、総合力ならソフトバンク
- 大阪ガスの電気 - ガスと電気をまとめるならバランス最良
- eo電気 - eo光を使っているなら検討の余地あり
- ソフトバンクでんき - ソフトバンクユーザーならまとめた方がお得
今回比較した3社は単純に電気代だけで見るのは難しく、利用者の使い方で「お得になる部分」が顕著に見られます。
電気とガスのライフラインを一括にまとめるなら大阪ガスの電気が一番コスパが良く、電気料金では3社中バランスの取れたお手頃な料金設定です。一方他のセットプランを見ると微妙になっており、電気とガスを安くしたいという方には大阪ガスの電気を選んだ方が良いでしょう。
eo電気は基本料金が3社中最高値で契約事務手数料も発生し、eo光とのセット割を使わないと選ぶメリットがあまりありません。関西と中部で提供エリアが被っている大阪ガスの電気と競合している以上、eoユーザー以外は選択肢としては優先順位が低くなります。
まとめた方が結果的に得を取れるソフトバンク
ソフトバンクでんきは自然でんきがおうちでんき併用不可を除けば、可もなく不可もなくという料金です。しかし、おうちでんきを適用すれば途端に電気代だけでなく、ネットやスマホを家族全体で割引させることが可能となり、電気料金と合わせて総合的にお得にさせることが可能です。
ソフトバンクはまとめて請求でサービスから支払いまでを一括管理しやすく、支払いをまとめることでTポイント付与などの付加価値が生まれて結果的に大幅割引に繋げることができるのが大きなメリットです。
単純に電気代を安くする目的だけなら大阪ガスの電気が選ばれますが、電気代をほどほどにネットやスマホなどの利用者が総合的に最も効率よく割引を使えるのはソフトバンクだと考えられます。
ソフトバンクは9月6日からのスマホ料金リニューアルと合わせ、現在秋のWキャンペーンも2018年10月31日までの期間限定で実施中なので、おうちでんきに加入するには丁度良いタイミングです。ソフトバンクはネットもスマホも乗り換え補償のキャンペーンも実施しているので、検討中の方はぜひ利用してみてください。
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