固定回線のインターネットは自宅に光ファイバーを引き込み、回線終端装置に配線する構造です。引っ越し時にはテレビや電話のように持っていくことができず、転居先で新たに導入する必要があります。では、インターネットの引っ越しはどのように手続きをすれば良いのでしょうか?今回はインターネットの引っ越しについて解説します。
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インターネットの引っ越しは「継続」か「解約」
引っ越し時のインターネットの扱いは「継続するか」どうかで選択肢が変わります。現在のネットを続けたい場合は「継続」、別のネットに乗り換える場合は「解約」のどれかになります。継続の場合は「移転手続き」、解約の場合は「解約手続き」を行います。
移転費用は基本的には掛かる
率直に言うとネットの移転費用は大抵のケースでは発生します。これはネットの設備導入という人件費などの兼ね合いで避けられない事情です。ネット設備がない住居に新たに回線を引く場合にはどうしても費用が発生します。ただし、移転工事費は後述の割引や移転工事費無料などのキャンペーンを実施しているプロバイダもあるので一概には言えません。
また、引っ越し先の住居の構造や設備状況によっても費用が異なります。
移転手続きの方法
引っ越し先でも同じネットを継続したい場合は現在のプロバイダに「移転手続き」を申し込みます。プロバイダごとに定められている手続き方法で引っ越し日と利用停止・利用再開の連絡を入れる必要があります。電気やガス・水道の引っ越し手続きと同じで新しい住居ですぐにネットが使えるように引っ越し日に合わせてネットが再開できるように調整しましょう。
提供エリアによっては継続できない場合もある
ネットは提供エリアが決まっているサービスであるため、引っ越し先が必ずしもネットを使えるエリアだとは限りません。例えばNURO光は関東・関西・東海の一部のエリアに限定されており、引っ越し先が九州や北海道だった場合には継続したくても継続ができません。この場合は「解約扱い」となり、状況によっては契約解除料と分割工事費の残債を請求されることになります。
フレッツ光の東日本から西日本への移転は新規扱い
先述のNURO光や電力系光回線のように地域が限定されているネットは引っ越し先が提供エリア外になる可能性が高くなりますが、国内で最大規模のフレッツ光や光コラボの光回線は離島などの一部を除いてほぼ全国で使えます。しかし、フレッツ光の光回線はNTT東日本と西日本で管轄が別に分けられています。
同じNTTでも東日本と西日本では管理運営が別物となるので、東西を跨ぐ場合にはNTTに移転申し込みが必要になります。東西を跨ぐ引っ越しの場合はお客様情報をNTTの管轄に引き渡す必要があるため、新たに東西エリアを跨ぐ場合は新規扱いとして処理されます。
継続なら「フレッツ光移転工事費割引」で工事費半額
※画像は公式から引用
フレッツ光では東西を跨ぐ移転時には一旦解約する必要がありますが、継続を前提とした移転申込時にはフレッツ光移転工事費割引が適用されます。フレッツ光の工事費用は「戸建18,000円」「集合住宅15,000円」と決まっていますが、割引適用時の工事費用が半額で済みます。
「にねん割」などの自動更新契約がたの割引制度を利用している場合、本来なら違約金が発生します。継続利用なら割引適用時の契約解除料は請求されません。しかし、以前の管轄では解約扱いとなるので、以前のエリアでの分割工事費残債は移転申込後の最終請求日に一括で請求されるので気を付けましょう。移転後は新たに工事費が請求されます。
乗り換えの場合は違約金に注意
プロバイダによって規約が異なる移転手続きですが、フレッツ光の場合は継続・解約どちらにせよ工事費の残債は一括請求されます。だからといって乗り換えを選んだ場合、契約状態によっては違約金が発生します。
移転手続きの費用 | |
NTT東日本 にねん割違約金 | NTT西日本 光はじめ割違約金 |
ホームタイプ:9,500円 マンションタイプ:1,500円 | 一律10,000円 |
NTT西日本は契約期間によって適用される「光もっと2割」に変わり、新たに「光はじめ割」の提供を開始しています。それまでの期間ごとに設定された違約金を撤廃し、一律10,000円の違約金が設定されています。にねん割は住居タイプによって違約金が異なり、東西どちらも契約期間内での解約時には違約金を請求されます。
引っ越しに合わせて解約をする場合はこれらの違約金も工事費残債と一緒に請求されるので、費用をなるべく軽くしたい方は更新月を目途に解約を計画しましょう。どちらも更新月は契約満了月とその翌月となります。
引っ越し時に費用を掛けない方法
ネットの引っ越しはプロバイダによっては解約扱いになるケースや継続扱いで費用が発生しない場合があります。こればかりは統一されていないので、契約中のプロバイダに問い合わせましょう。ここではネットに共通した引っ越し時の費用を掛けない方法について解説します。
移転工事費用が発生するケース
ご存知の通り、ネットは自宅に導入するために開通工事を行う必要があります。引っ越し先の住居にネットの設備がない場合は新たに工事の必要があり、新規工事費用を請求されるケースがほとんどです。
工事費用が発生するケース | |
屋内工事あり | 工事費満額 |
屋内工事なし | 約7,600円 |
派遣工事なし | 約2,000円 |
上はフレッツ光を例とした一般的な工事費用です。設備を一から導入する新規工事の場合は工事費用は満額、屋内の配線を流用する場合は屋内工事なしの料金が、既に住居までの配線も完了している場合は派遣工事なしで一番費用が安くなります。建物内に既に導入されている配線の有無で料金が異なり、全国的に普及している利用者が多い光コラボだと安くなる可能性が高くなります。
引っ越し先の住居にネット設備があるとは限らないので、あまり強く期待するのではなく「こういうこともある」程度に留めておきましょう。引っ越し前にネット完備の賃貸住宅の情報をある程度仕入れておくというのには良いかもしれません。
引っ越し時に移転工事費用が掛からないネット
- ソフトバンク光 - 引っ越し時の移転工事費無料(手数料3,000円のみ)
- ビッグローブ光 - 3年プランなら移転工事費無料(手数料3,000円のみ)
- NURO光 - 分割工事費残債は免除(新規工事費は再カウント)
引っ越し時の工事費用無料をサービスとして提供しているネットもあります。上のソフトバンク光、ビッグローブ光、NURO光がそれに当たり、それぞれのプロバイダで工事費無料のルールが異なります。
ソフトバンク光の以前の移転工事費無料は期間限定キャンペーンでしたが、現在はソフトバンク光会員なら全員が移転工事費無料で引っ越し先でも継続して利用できます。ビッグローブ光は3年プランという限定的ですが、何度でも移転工事費無料です。
3つの中で少し違うのがNURO光ですが、こちらは移転時に以前の住居での工事費残債が免除となり、新しい住居での工事費の分割回数が再カウントされるという仕組みです。
移転前NURO光分割工事費残債 | 移転後 |
分割回数27回目 | 分割回数1回目に振り出し |
NURO光は工事費実質無料キャンペーンを実施しており、初月を除く工事費30ヶ月割引の合計31ヶ月契約が適用条件です。分割残債が残っている場合は本来残債の一括請求となるところですが、NURO光では移転時に残債請求を免除される代わりに移転後の工事費用をまた最初からカウントされることになります。
継続するつもりなら契約期間がいくら延びようと全く影響はありませんが、仮に移転先が提供エリア外の場合は問答無用で残債の一括請求となります。提供エリアが狭いNURO光の少し不便な部分ですが、先述したように提供エリア内でずっと使い続けるつもりなら特に影響がないデメリットです。
キャッシュバックを利用する
一番手っ取り早い方法がキャッシュバックを実施しているネットに乗り換えるという方法です。例えば代理店などの新規申し込みで得られる高額キャッシュバックで費用を捻出するなど、支払われるキャッシュバックで移転工事費用や違約金を補填するという方法です。
ただし、代理店のキャッシュバックは複数オプションや長期継続利用などの条件が厳しい窓口も多く、ネットの利用停止から1~2ヶ月で費用を請求されることを考えれば窓口選びは慎重に行う必要があります。
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NEXTやアウンカンパニーのように費用を掛けずにキャッシュバック振り込みが最短2ヶ月という代理店もありますが、せっかくの高額キャッシュバックを移転工事費用や違約金に払ってしまうのも惜しい気がします。
そこで公式で乗り換えキャンペーンを実施しているネットに乗り換える方法を提案します。
乗り換え補償があるネットに乗り換える
プロバイダ | 補償額 | 補償内容 | 主な条件 |
auひかり | 最大30,000円 | 分割工事費含む違約金 | 契約に指定あり auスマートバリュー対象外から |
ソネット光 | 最大50,000円 | 分割工事費含む違約金 (フレッツ光以外) | 他社からの乗り換え コース変更不可 |
ソフトバンク光 | 最大100,000円 | 分割工事費含む違約金 (フレッツ光以外) | 他社からの乗り換え |
乗り換えキャンペーン概要 | |
auひかり | 最大30,000円分補償 ホームタイプは郵便為替かプリペイドチャージ30,000円分 マンションタイプは15,000円まで、5,0000円分は月額割引 |
ソネット光 | 違約金最大50,000円現金キャッシュバック |
ソフトバンク光 | 郵便為替で最大100,000円分補償 モバイルブロードバンドからは42,000円分 工事費相当分を郵便為替で負担 |
乗り換えキャンペーンを実施しているプロバイダはauひかり、ソネット光、ソフトバンク光の3社となります。3社共通するのは乗り換え時に発生した違約金をプロバイダ側が補償するサービスで、補償内容は3社で異なります。
現金振り込みはソネット光のみ
auひかり、ソネット光、ソフトバンク光の3社のうち、現金振り込みが行われるのはソネット光のみになります。受け取りはソネット de 受取サービスを経由して行われ、受け取り期間が決まっているのd忘れないようにしましょう。
auひかりとソフトバンク光は郵便為替となるので現金化の手続きが必要です。auひかりはマンションタイプの場合は上限が15,000円までで現金化が可能なのは10,0000円までとなり、残りは月額割引で処理されます。
最高補償額はソフトバンク光の10万円+工事費用
圧倒的に保証額が多いのはソフトバンク光で、モバイルブロードバンドからの場合でも42,000円とauひかりの最大補償額よりも大きいのが最大の特徴です。補償額は5,000円ごとに増加し、1円でも設定金額に達していれば余剰分として支払われるのもソフトバンク光ならではの大盤振る舞いです。
あんしん乗り換えキャンペーンはソフトバンクAirにも対応しており、ソフトバンク光なら工事費相当のキャッシュバック(郵便為替)が行われます。
auひかりは条件が多い
ソネット光とソフトバンク光にはそれぞれ異なるメリットがあるのに対し、auひかりのキャンペーン内容を見比べてみると条件が多すぎてあまりおすすめできません。まず、auひかり スタートサポートはauスマートバリュー対象のネットからはキャンペーン対象外となっており、auスマートバリュー対象が多い光コラボからの乗り換えは制限されてしまいます。
補償額も30,000円と決して多いわけではなく、マンションタイプだと最大15,000円のうち5,000円が月額割引に還元されてしまいます。更にはキャンペーン適用には指定のプロバイダ、3年契約、光電話オプションへの加入など余計な条件が多く、他社からの乗り換えだけで済む先述の2社に比べると使い勝手が良いとは言えません。
引っ越しからの乗り換えならソフトバンク光がおすすめ
引っ越し時の移転工事費無料のネット
- ソフトバンク光
- ビッグローブ光(3年プランのみ)
- NURO光(分割工事費用割引は再カウント)
乗り換え先におすすめのネット
- ソネット光(最大50,000円補償現金キャッシュバック)
- ソフトバンク光(最大100,000円補償+工事費相当キャッシュバック)
継続には多少なりとも費用は掛かり、解約なら違約金も請求されるのがネットの引っ越しです。今回紹介した引っ越し時におすすめのネットを参考にしながら、継続か解約かを検討してみてください。
ソフトバンク光は最大100,000円補償に加えて工事費負担もあり、乗り換え後は引っ越し時の移転工事費がずっと無料で使えます。工事期間中も開通前レンタルでソフトバンクAirが無料で貸し出しされるので、途切れることなくネットの利用が可能です。
ソフトバンク光への乗り換えは代理店から申し込めばキャッシュバックだけでなく、違約金補償のあんしん乗り換えキャンペーンも一緒に適用されます。ソフトバンク光の申し込みは代理店からがおすすめです。
ソフトバンク光おすすめ代理店ランキング
第1位 株式会社NEXT
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ソフトバンク光 オプション加入不要! |
第2位 株式会社アウンカンパニー
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ソフトバンク光 オプション加入不要! |