現在携帯電話やモバイル通信で使われている通信規格「4G」。そもそも4GのGとは「Generation」の頭文字から取られており、4世代目の移動通信規格にあたることを意味しています。現在は次世代の通信規格化の開発が進められており、2020年には5G実現に向けての期待が高まっています。今回はソフトバンクの5G技術「Massive MIMO(マッシブマイモ)」について解説します。
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第5世代の移動通信規格「5G」
※画像は公式サイトより引用
私たちの生活にあるスマホやWiFiなどに広く用いられている「次世代の高速通信規格」4G。その後継にあたる第5世代の移動通信規格「5G」が2020年の商用化に向けて、ソフトバンクの次世代の通信規格プロジェクトがスタートしています。5Gとはいったい何か、今回は気になる情報を徹底紹介します。
通信規格の歴史
テレビやネットでよく目にする機会も多い「WiFi」「4G」「LTE」「WiMAX」。これらはすべてモバイル通信の規格のひとつです。スマホの機種を表現する「〇G」とは、世代を表す「Generation」の頭文字から通信規格を表現しています。現在主流の4Gの前世代が3Gで、今回の話題が5Gとなります。スマホの高速通信かが始まった3Gから一般的に「〇G」という言葉が使われ始めました。
通信規格の歴史
- アナログ方式の1G(アナログ音声通話 - 2000年9月に終了)
- デジタル方式の2G(ネットやメールのデジタル化 - 2012年7月終了)
- 高速通信可能の3G(2001年ドコモから世界初のW-CDMA方式「FOMA」の提供開始)
- 次世代型の4G(更に向上した高速通信規格LTEの登場)
- 第5世代移動通信システム5G(世界初のMassive MIMO 2020年予定?)
モバイル通信規格は携帯の基礎となった第1世代の1G、PHSなどが登場してネットやメールが普及しだした第2世代の2G、スマホが爆発的な普及の足掛かりとなった3G、4Gへと続いています。上の表の足跡を見ている限り、ドコモが提供を始めたFOMAの2000年代に入ってからが現在のスマホ隆盛の時代の幕開けなのが分かります。
現在の主流は3Gの後継として登場した次世代高速通信規格4Gです。厳密に言うと4Gとは、複数ある通信規格の総称であり、その中のひとつに現在WiFiなどで用いられているLTEが含まれます。LTEにも種類があり、国内3キャリア各社の商標・規格を例にするとNTTドコモの「Xi(クロッシィ)」やauの「WiMAX(ワイマックス)」やソフトバンクの「SoftBank 4G LTE」が挙げられます。
細かいことを言うとLTEは3Gと4Gの中間に位置する通信規格であり、通信規格「3.9G」とされていますが、世界的に規模を広めたためLTEも4Gとして扱われています。この辺は四捨五入すれば4Gになるのであまり深く考えなくてもOKです。ちなみにWiMAXも3.9Gの約4Gとされています。
LTEとは?
Long Term Evolutionの略語で、直訳すると長期的進化の意味で使われています。
「多接続」「高速化」のSoftbank 5G
ソフトバンクは2016年9月16日より、5th Generation プロジェクトとして5G実現のネットワークサービス「Massive MIMO」の開発を推し進めてきました。5Gの重要な要素である空間多重技術の2020年の商用化に向けて、世界で初めて提供を開始したのでした。
Softbank 5Gプロジェクトの概要
- アンテナ本数を最大128本に増強
- 自分専用の電波を受信
- 基地局同士を連携して複数の電波を利用可能
- 低コスト、低消費電力で長距離・多重接続可能なネットワーク
- 情報収集・管理・対策が可能な「モノのネットワーク」
取り組み①|Massive MIMO
Massive MIMOとは「空間多重技術」を指した言葉です。Massive MIMOの特徴には、従来のアンテナ数から128本という圧倒的本数に増やすことで一人ひとりに電波を割り当てる「ビームフォーミング」を可能とし、電波を個人に割り振ることで通信遅延や混雑回避の実現を目指しています。
現在のインターネットでは混雑回避に一人ひとりに無限のIPを割り当てるIPv6が活用されていますが、Massive MIMOは電波そのものを個人に割り当てる通信技術です。例えば専用の入り口を用意するのがIPv6なら、個人で使う乗り物と道を用意してくれるのがMassive MIMOです。
取り組み②|Distributed MIMO
電波を個人に割り振ることが可能になったのは、複数の基地局と連携することで複数の通信路を構築する「空間多重」という高い技術によるものです。これまでバラバラだった基地局の電波を共有・協調させることで受信できる電波の選択肢を増やし、電波干渉を減らすことで回線の安定化と低速化減を目的としています。
これまでは受信できる基地局が遠いと通信速度や音質低下などが多々見受けられたモバイル通信でしたが、近場の連携できる基地局から電波を受信することで飛躍的な通信の安定化が見込めます。
取り組み③|MultiUser MIMO/UL MultiUser MIMO
電波を個人に割り振ることを可能とするのは、既存局から一人ひとりに専用の通信路を割り当てることが可能となる下り通信「MultiUser MIMO」上り通信「UL MultiUser MIMO」というMassive MIMOの応用技術によるものです。基地局から送られる従来の電波を「1レイヤー」とし、エリア内の端末に割り振られていましたが、最大4レイヤーまで増やすことで各端末に専用通信として割り振られます。
MultiUser MIMOは東名阪より順次、UL MultiUser MIMOは全国にて導入を予定しており、2014年以降に発売されたSoftBank 4G対応機種に対応していくことが発表されています。
取り組み④|NB-IoT
5Gが実現する2020年代には5Gの高速・大容量、低遅延を活かすことでVRやARでの様々な表現が可能になると予測し、多接続・長距離ネットワークによる自動操縦・ドローン活用など、リアルタイムでの管理・効率化によるIoT(モノのネットワーク)の推進が予想されています。
あらゆるモノが基地局からネットワークに繋がり、全国のソフトバンクのエリアで設置されている様々な設備やシステムに展開されていく未来への実現を推し進めています。
Massive MIMOのメリット
ネットやスマホが普及した理由は「利便性」が第一に挙げられ、いつでもどこでもネットで情報を得られる機会ができたことが最大の理由でしょう。それに伴ってインターネットの高速化が進み、どこでも見られることで生じるストレスの問題も出てきました。特に人が多く集まる場所でのインターネットは回線の混雑や切断などもあり、電波共有のデメリットも生み出しました。
混雑解消とコストカットに向けられた技術
Massive MIMOはアンテナを増やし、基地局との協調によって個人に専用の通信路を提供する技術です。つまり「混雑を解消する」ことに特化した技術なのです。電波を増やすだけなら基地局を増やすという簡単な方法がありますが、基地局を増やすスペースや複数の電波による電波干渉という大きな問題が新たに発生します。
そこで登場したMassive MIMOは限られた空間を合理的に整理し、多重空間技術で一人ひとりにネットという個別空間を与えることへの実現に成功しています。設備を新たに増やすことなく電波干渉や余計なコストを排除し、モバイル通信に快適な環境を提供してくれるのです。
Massive MIMOはソフトバンクの技術の応用
ソフトバンクは自社の通信規格にAXGPを採用しており、この規格はソフトバンクモバイルやソフトバンクAirでも使われているLTE回線です。従来のアンテナがAXGPが4本から8本、FD-LTEが2本だった事から比べると最大128本のMassive MIMOのアンテナは圧倒的な数字です。ソフトバンクはTD-LTE互換技術に2010年から取り組んでおり、その長年の成果がMassive MIMOに結び付いて世界に先駆けての商用化が実現されました。
ソフトバンクの技術と知恵の結晶であるMassive MIMOはソフトバンクの下地があってこそ世界初の快挙を成し遂げたのです。
2台のカメラによる5Gの実証実験
ソフトバンクは2018年10月25日に東京・芝大門にて5Gを使用した実証実験を報道陣の前で公開しています。5G端末を搭載した2台の車両を使い、走行する一方の車両から撮影した360度の4K映像をもう一方の車両にリアルタイムで映像の送受信をするというものでした。
このように5Gが普及することによって様々な角度からのリアルタイムの映像配信やARやVRを使った情報の伝達、AIやIoTの導入による情報管理の効率化など各分野での展開が期待されています。プレスリリースを見る限りでは、他社と比較するとソフトバンクのIoT事業への力の入れ方が尋常ではないことが感じ取れます。
ソフトバンクの5Gに期待すること
2020年の実現に向け、世間ではソフトバンクの便利で安全なサービスの変革の期待が高まっています。ソフトバンクの長年の技術成果と言えるMassive MIMOは、ソフトバンクのネットワークに最も適した次世代通信規格となることでしょう。
あらゆるシチュエーションを想定した通信技術の応用を見せるソフトバンクの今後の動向からは目が離せませんね。
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